Vol.3 人と蚕がつむぐ営み ~群馬県編~

分割再生&解説ハンドブック Part 2 家畜化された昆虫 「蚕」

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群馬県でも、とくに養蚕が盛んだった富岡市で50年以上蚕を飼い続けている農家を訪ねました。養蚕業の過程と、蚕が養蚕農家に来てから繭をつくる直前までの工程をご紹介します。

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養蚕の主役は、もちろん「蚕」です。蚕は正式名「カイコガ」という蛾の一種。ところがこの蚕、すでに野生のカイコガという生き物は自然界に存在しないということをご存じでしょうか?

古代中国で養蚕が始まった紀元前4000年の昔から、蚕は営々と人に飼われ続けてきました。その結果、現在カイコガの野生種は存在しないばかりか、養蚕で飼育されている蚕はすでに自生能力を失っており、人間の世話なしでは生きていくことができない昆虫なのです。(カイコガの祖先としては、「クワコ」という蛾がそれに当たると考えられています。また、日本に自生する「天蚕」あるいは「ヤマ繭」とよばれるものは「ヤママユガ」という蛾で、分類学上は別種と考えられています)

こうして、ある種の家畜となった蚕。成虫の羽は退化しており、飛ぶことができないばかりか、幼虫の足の力もひじょうに弱く、木にしっかり捕まることもできません。そのため、エサの葉を探しに長距離を移動することもできなければ、繭を作るための場所を探すことさえ、自力では困難なのです。だからこそ、養蚕農家が毎日何度も桑の葉を与え、繭を作るときには「お蚕上げ」を行って蚕を助け、さらには繁殖の手伝いもしてあげなければ、蚕は1日たりとも生きていくことができないのです。

また、蚕は長い歳月にわたって絶え間ない品種改良が行われ、現在に至っています。病気に強く、飼育しやすい蚕を作るだけでなく、新しい特質をもった魅力的な絹を商品化するうえでも、品種改良はとても重要です。たとえば群馬県の群馬県蚕糸技術センターでは、特徴ある黄色の「ぐんま黄金」(日本種「ぐんま」と、黄繭中国種「支125号」との交雑種)、ムラのない高級呉服用生糸を生産できる新小石丸(皇居御養蚕所で飼育されている「小石丸」と群馬県蚕糸技術センターが育成した中国種「二・一」を交配)など、現在も様々な新品種を研究し、生みだしています。

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収録時間 6分43秒
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