Vol.5 結いが育む郷土の原風景 ~岩手県編~

分割再生&解説ハンドブック Part 1 散居集落

  • 映像の概要

映像の概要

プロローグ~日本有数の米所である岩手県奥州市胆沢区の農村の風景をご紹介しています。

  • 解説ハンドブック

解説ハンドブック

胆沢の散居集落の様子

散居集落とは、家と家との間に広く田畑が入っている集落のことで、おもに平地の農村部で見られます。胆沢平野の散居集落は、富山県栃波市の栃波平野、島根県斐川町の出雲平野と並ぶ日本三大散居集落とされています。
この散居集落は、日本に稲作が広がったころ、水の便の良いところに住居を作り、そのまわりに水田を築いていった名残。胆沢も、胆沢川と衣川に挟まれた扇状地であったため、散居集落ができあがったと考えられています。

また、胆沢の散居集落の特徴とも言えるのが、エグネとキヅマ。エグネとは、冬の季節風から屋敷を守る防風林。屋敷の境界としての役割も果たします。スギを主として、クリやキリなどの木が使われ、冬は暖かく夏は涼しいという快適な住環境を形成しています。かつては、木は家屋改修時の用材として、枯葉などは燃料や肥料として、それぞれ活用されていました。「エグネ」という名前の由来には、屋敷(居)の地境(久根)に植えられている林であることから「居久根=イグネ」が訛って「エグネ」になったという説がありますが、詳しいことは分かっていません。このエグネが作りだす独特の景観が評価され、1994年には、「美しい日本のむら景観コンクール」で農林水産大臣賞を受賞。また、1997年から「エグネ等植栽推進事業」として、苗木購入費の一部を助成し、緑あふれる散居景観を未来の子供たちへ保存・継承しようという動きがあります。
キヅマとは、エグネの下に薪を重ねたもので、エグネの下枝が欠けた部分を補って、風雪を防ぎます。またかつては、重ねた薪を、囲炉裏や暖炉、炊事などに利用していました。生活の中で薪を使わなくなった現在も、「キヅマが崩れると、家運が衰退する」と、たいせつに受け継がれています。
映像に出てくる「長屋門」も散居屋敷にはよくみられます。明治時代以降、富農の屋敷にも作られるようになった長屋門。岩手県内では、旧仙台藩領に偏って見られるのも特徴です。長屋には、その家に仕えているものが住む部屋や物置、作業場などがあります。
エグネもキヅマも長屋門も、胆沢の散居集落のシンボルとして、景観の保持にはなくてはならない存在となっています。

film script

film script

map

このパートを見る
収録時間 3分23秒
  • film script

    このパートのシナリオを
    ご覧いただけます。

  • map

    このパートに関連する場所の
    所在地を地図れご覧いただけます。