福井県

01福井県の地勢と豊富な湧き水

福井県大野市の風景

Vol.43

Ep.1

 日本列島のほぼ中央に位置する福井県。県土の約8割を山地が占め、中央部の木ノ芽峠を境に嶺北(れいほく)地域と嶺南(れいなん)地域に分かれます。嶺北地域は、県庁所在地の福井市を中心とした平野を有しながらも、1000メートル級の山々が連なる豪雪地帯も多く、昼夜の寒暖差を活かした農業や酒造など伝統産業を中心に栄えてきました。一方、嶺南地域は、典型的なリアス式海岸が続き、温暖な気候と美しい海岸を有し、漁業や観光業で栄えるなど、同じ県内でありながらも多様な風土が共存しています。 

福井県は、かつての越前国と若狭国からなり、越前の緑豊かな山々と、若狭の美しい水に恵まれた土地を意味する「越山若水(えつざんじゃくすい)」という別名があるほど、水が豊かなことでも知られています。城下町として栄えた大野市には、今も湧水地が点在していて、飲み水や料理など市民の生活に利用されているほか、酒造りやソバ栽培にも活かされています。 

本作では、福井県の北東部に位置し、県内でも特にソバ栽培が盛んな大野市の中山間地で在来種のソバを作り続けている家族の一年を紹介しています。