福井県
03代表的な在来種「大野在来」

大野在来
Vol.43
Ep.3



全国有数のソバどころである福井県。特に昔から品種改良を施していない「在来種」の数は20種類以上と全国トップクラスを誇り、福井県は「在来種そば王国」と称されるほどです。日本蕎麦保存会が実施する「おいしいそば産地大賞」では何度も1位に輝いています。「在来種」の中でも代表的な系統が「大野在来」です。四方を山々に囲まれた盆地で、昼夜の寒暖差が大きいソバづくりに適した大野地区で育てられており、味が濃く、香りも粘りも強いのが最大の特徴。しかし、品種改良されていないがゆえに病気や害虫、天候の影響を受けやすく、栽培が難しくもあります。福井県のソバ栽培の歴史は戦国時代にまで遡ります。1471年(文明3年)、戦国大名の朝倉孝景が一乗谷に築城した際、短期間で収穫できるソバを合戦の間に栽培して、籠城用の食糧としたのがはじまりと言われています。
