福井県

04ソバラインと地産地消

「ソバライン」に位置する大野市

Vol.43

Ep.4

 古くからソバ栽培が盛んに行われてきた大野市。火山灰に粘土や赤土が混じっている土壌は、本来ソバ栽培に適した土壌ではありません。それでも良質なソバが栽培できる大きな理由のひとつは、昼夜の寒暖差が大きいこと。この寒暖差こそ、風味がよく質の高いソバができるゆえんなのです。 

大野市をはじめ、長野県や茨城県などソバの一大産地が並ぶ日本の北緯36度線上に位置するエリアは「ソバライン」と呼ばれていますが、どの産地も昼夜の寒暖差が大きいことが共通してあげられます。 

地元の人に特に愛されている「おろしそば」が広まったのは、明治期に医師として活躍した福井県出身の医師である石塚左玄が「食育」の精神を説いたことに由来します。彼の思想は今の「食育基本法」の礎ともいわれており、生きる力を育む食の重要性を説いています。左玄は地元食材の玄米やソバの高い栄養価に注目。さらにソバに足りない栄養素を補うため、おろした大根と汁を添えて食べることを提唱しました。こうして完成した「おろしそば」は今も福井県のソウルフードになっています。