福井県

05受粉とソバを襲った厳しい残暑

厳しい残暑の影響を受けたソバの花

Vol.43

Ep.5

 ソバはほかの作物に比べて成長の速度が各段に早いのが特徴の一つです。種まきから2か月ほど経った10月になると、畑には真っ白なソバの花が一面に咲き誇り、独特の香りが漂います。このまま順調に成長すれば、大野地区では1か月後の11月には収穫が始まります。ソバは自分の花粉が付いても受粉しないので、主にミツバチやチョウなどの訪花昆虫に花粉を運んでもらい受粉することが必須です。そのため、受粉時期の天候によっては昆虫の活動が抑制されてしまい、収穫量に影響を及ぼすことも。本作の取材をしたこの年は厳しい残暑が大野地区を襲い、花は咲いているのに実の付きが思わしくないという状況に陥ってしまいました。豪雪地帯の大野地区では、雪が本格的に降り出す前に収穫を終えないといけないため、収穫時期を遅らせることができず、生産者は頭を悩ませます。「こればかりはどうしようもない」そう話し、畑を見つめる村岡さん。思うようにいかない自然の厳しさを痛感します。