群馬県
01.群馬県の養蚕の歴史。世界遺産の絹産業遺産群。富岡製糸場など
Vol.03
Ep.01
古代中国で始まり、弥生時代にはすでに日本に伝わっていたとされる養蚕。群馬県(上州)で養蚕業が盛んになったのは江戸時代のことで、江戸中期には全国屈指の産地になりました。
この時代の養蚕業の様子を今に伝えるのが、世界遺産・絹産業遺産群の一つ「旧富沢家住宅」です。寛政2年(1790年)に建てられた木造2階建て、入母屋の建物は桁行13間、梁間7間という当時としては非常に大きな建物で、養蚕業の隆盛ぶりがうかがえます。
また、樹齢1500年ともいわれる桑の巨木「薄根の大クワ」は、地元で長らく養蚕の神様として信仰されています。
そして、明治維新以降日本最大の輸出品となった生糸の生産量を飛躍的に高めるために造られた官営富岡製糸場。当時、世界最大規模を誇ったこの建造物は、操業時のままの状態で現在も保存されており、2014年に登録された世界遺産の目玉ともいえる施設です。