群馬県
04.製糸業について。工場見学。昔ながらの座繰り製糸
Vol.03
Ep.04
養蚕農家で作られた繭を糸にするのが、製糸工場です。絹産業が盛んな時代には、富岡製糸場をはじめ日本各地に約2500の製糸工場がありました。しかし化学繊維の普及や、和装から洋装への生活スタイルの変化、さらにアジア各国で製造される安価な製品の台頭などで市場は大きく変化。国内の製糸産業は次第に衰退していきました。
現在日本で操業している現役の器械製糸工場は、群馬県の「碓氷製糸株式会社(旧・碓氷製糸農業協同組合)」と山形県酒田市の「松岡株式会社本社工場」のみ。碓氷製糸株式会社は、各地の製糸工場が次々に閉鎖される中、群馬県内に多く残る養蚕農家を支えるため、繭だけでなく糸も生産できるようにと設立された工場です。生糸生産だけでなく、県内の養蚕農家や地元企業と一緒に、県オリジナルの蚕品種を使用した新製品も開発。他にも地元では、「座繰り製糸」といった昔ながらの技術の保存継承などに取り組んでいます。