鹿児島県
04.錦江町の大根やぐらと枕崎のかつお節
Vol.18
Ep.04
毎年12月、鹿児島県錦江町(きんこうちょう)では大根やぐらのライトアップが行われます。漬物用の大根を高さ7m、長さ50mという巨大なやぐらにかける同町の冬の風物詩。錦江湾から吹き上げる冷たく乾いた潮風を受け、大根やぐらで2週間ほどかけて乾燥させた大根は、漬物用に出荷されます。
一方、鹿児島県は全国1位のかつお節生産地でもあり、その生産量は年間約21,500トン(平成30年)で、全国の約7割。とくにカツオの水揚げ漁港である枕崎市は、かつお節の生産が古くから盛んです。東シナ海に面し、年間の平均気温は18度と温暖な気候で、かつお節の煮熟に欠かせない良質な水も豊富、焙乾に必要な樫やくぬぎ、椎といった木材も近隣で多く調達できることから、かつお節の産地として発展してきました。
カツオ自体は縄文時代の遺跡からも出土しており、古くから食されていたことが分かりますが、実際に太平洋沿岸でカツオ漁が盛んになったのは江戸中期。1707年頃、紀州の森弥兵衛が、この地にカツオ漁法とかつお節製法を伝えたとされています。