鹿児島県
06.指宿のそら豆収穫、本枯れ節と鹿児島食材のマリアージュ
Vol.18
Ep.06
世界最古の農作物の一つともいわれる、そら豆。さやが空(上)に向かってなるため「空豆」、また蚕(かいこ)が作る繭のようなので「蚕豆」とも書きます。薩摩半島の南端に位置し、見事な円錐形の山容から別名薩摩富士とも呼ばれる開聞岳(かいもんだけ/標高924m)の麓にある指宿(いぶすき)市は、全国有数のそら豆産地。9月に植え付けをして、12~4月まで収穫期が続きます。
一方のかつお節は、加工工程の違いによって名称が異なり、鰹を煮て燻製にしたものを「荒節」といいます。この荒節を削ったものが店頭で多く見かける花かつお、またはかつお削り節です。
そして、カビを付けて天日干しし、水分を抜きながら熟成させたものが「枯れ節」(水分量20%以下、カビ付け3回)。
さらに、枕崎のかつお節は、枯れ節よりカビ付け・天日干しの回数を増やし、より長期間熟成させた「本枯れ節」(水分量15%以下、カビ付け4回以上)と呼ばれます。カツオの旨味成分イノシン酸が増えたかつお節の中の最高級品。枕崎漁港に水揚げされた良質のカツオだけを使用し、煮熟、焙乾、そしてカビ付けと天日干しを何ヵ月も繰り返す伝統製法が生んだ逸品です。