富山県

03.砺波(となみ)平野、散居村の暮らしと夜高祭

砺波平野の田植え風景

Vol.29

Ep.03

教科書にも紹介されている砺波市の散居村。一般には「散村」ですが県内では「散居村」と呼びます。散村とは「民家が密集せず孤立した状態で散在する地域」のこと。砺波平野は一級河川の庄川が運搬した土砂によって形成された扇状地。飲料水と農業用水が得やすく、歴史的に戦乱の影響も少なかったこと、さらに江戸時代、加賀藩が屋敷周辺での田の耕作を許可したことなどから散居村が定着したそうです。

「カイニョ」と呼ばれる屋敷林は、風雪から家屋を守ったり、火災の類焼を防いだり、建材として利用されるほか、枝や落ち葉は燃料にも。

また、この散居村地域では田植えが終わる頃に休みを取る「ヤスンゴト」という風習があり、五穀豊穣を願う祭りが行われます。その一つが、「夜高祭」。竹や木などで作った枠に和紙を張り、彩色した行燈の山車・夜高行燈が町をねり歩いた後、激しくぶつかり合います。他にも砺波地区では約30の集落で祭りが行われており、2007年、夜高祭は「ヨータカ」として「とやまの文化財百選」に選定されました。