富山県
05.世界遺産の五箇山、合掌造りの食と農
Vol.29
Ep.05
世界遺産の五箇山(ごかやま)・合掌造り集落。屋根に使用した古い茅を土壌にすき込み、堆肥や地表の保温材、あるいは雑草防止などに活用する伝統農法が、古くから受け継がれてきました。
この地で代々、種を受け継ぎ育てられてきたラグビーボール型のカボチャがあり、山間部特有の寒暖差や豊富な降水量などの条件による深みある味と栄養価が注目されています。栽培には合掌造りの古茅が再利用されており、地元では古来カボチャのことを「ぼべら」と呼んでいたことから、「五箇山ぼべら」と命名。他品種と交雑しないよう五箇山で代々受け継いだ種を自家採種すること、茅を使用すること、五箇山地域内で栽培すること、といった栽培条件を設け、ブランド化をはかっています。
ちなみに「ぼべら」の語源は、ポルトガル語でカボチャを意味するabobora(ボーボラ)に由来しているともいわれますが、その真偽は不明。いつ、誰が、どのようにこの地に伝えたのかもわかっていない、謎に満ちたカボチャなのです。