福岡県

01.八女茶発祥の地・霊巌寺、八女中央大茶園

茶の製法を八女に伝えた栄林周瑞禅師

Vol.20

Ep.01

九州最大の河川、筑後川と矢部川に挟まれた筑後平野南部に位置する八女(やめ)地方。肥沃な土壌と豊富な伏流水に恵まれ、雨量が多く昼夜の寒暖差も大きいことから、茶の栽培に適しています。八女市には茶農家が約2,200戸あり、主に平坦地で煎茶、山間地では煎茶のほかに玉露なども作られています。

八女の市街地から車で約40分の黒木町(くろぎまち)にあるのが、八女茶発祥の地とされる霊巌寺。境内の山中には日本三大奇岩の一つ「珍宝岩(男岩)」や県指定天然記念物の奇岩群があります。約600年の歴史をもつ禅寺で、応永30年(1423年)に明から帰朝した学僧・栄林周瑞禅師(えいりんしゅうずいぜんじ)がこの地を訪れ、かつて修行した蘇州霊巌寺の景観に似ていたということから建立した寺とされています。

禅師はその際、明から持ち帰ったお茶を植栽して栽培と製茶を指導。ここから霊巌寺は八女茶発祥の地といわれるようになりました。霊巌寺本堂の前には八女茶の原木といわれている大樹が今なお根を張っています。