兵庫県

01.但東町の田植え。大家族が作る「コウノトリ育むお米」

田植えの1ヶ月前から水を張る「早期湛水」

Vol.21

Ep.01

兵庫県豊岡市は2005年に旧豊岡市と出石・城崎(きのさき)・竹野・但東(たんとう)・日高の5町が合併してできた市。旧国名は但馬国(たじまのくに)です。京から出雲へと続く山陰道の要衝として古くから市場や産業が発達し、戦国時代には数々の鉱山も開発されました。

しかしその地形は約8割が中山間地。平坦地である豊岡盆地は、元々深い入り江だったところに円山川の土砂が流れ込んでできた、腰まで泥につかってしまうような大湿原です。

そのため水田面積は但馬地方全体の6%程度。しかし、この大湿原を中心とした豊岡盆地の環境こそが、この地にコウノトリを復活させた舞台であり、「コウノトリ育む農法」へとつながっていくのです。おいしいお米を育てながら、「コウノトリを再び、日本の空へ!」という願いを形にするために、この地の生産者が推進している農法。それは人と自然が共存できる、本来あるべき農業の形の実践ともいえます。