兵庫県

02.豊岡のシンボル、コウノトリ。絶滅から復活への軌跡

野生に復帰したコウノトリ

Vol.21

Ep.02

「幸福を運ぶ鳥」として知られるコウノトリは、ロシア極東地域から中国、韓国、日本などに2,000羽ほどしか生息していない貴重な鳥。大きさは立った状態の体高で約1m、両翼を広げると約2mにもなります。体全体は白く、くちばしと羽の後ろ側にある風切羽が黒いのが特徴。主に川や田んぼにすむフナ、ドジョウ、カエルやヘビ、バッタなどを食べます。

かつては日本各地に生息していましたが、明治から昭和初期の乱獲で減少。戦後には農薬や化学肥料の使用、水田の乾田化、河川の護岸コンクリート化などによって餌となる生き物の多くが姿を消します。さらに有機水銀が蓄積した餌を食べて命を落とす個体もあり、昭和46年に豊岡市で最後の1羽が死んで、日本のコウノトリは絶滅してしまったのです。しかし豊岡の人々はその復活への取り組みを根気強く続け、約50年を経た現在までに100羽を超えるコウノトリが野生復帰を果たし、かつてのように優雅に羽ばたく姿が見られるようになりました。