神奈川

03.鈴虫放生祭とマルハナバチ

鈴虫放生祭の様子

Vol.37

Ep.3

毎年9月に行われる鶴岡八幡宮(鎌倉市)の例大祭。800年を越える歴史と伝統が、絶えることなく伝えられています。総勢250人の荘厳華麗な行列による神幸祭や流鏑馬、献茶会、献華会などのほか、生命を慈しむ放生会(ほうじょうえ)の心意を引き継ぐ神事として行われるのが鈴虫放生祭(すずむしほうじょうさい)です。舞殿での祭儀の後、柳原神池で神職の手によって鈴虫が放たれます。

一方、農業の現場で活躍する虫たちも。園芸作物の栽培に欠かせない花粉の交配を手伝ってくれるミツバチやマルハナバチです。ミツバチはイチゴやメロン、スイカなどのほかタマネギやキャベツの採種にも用いられ、本作に登場するマルハナバチはトマトのような蜜を出さない花にも飛んで花粉を媒介します。

これまで主流だったセイヨウオオマルハナバチは、近年野外越冬と自然巣が確認され急速に生息域を拡大させたことから、現在は特定外来生物に指定。代替種であるクロマルハナバチやエゾオオマルハナバチの利用が進められています。