徳島県

03.阿波人形浄瑠璃と勝浦座

豊作への祈り・春の「社日」 

Vol.32

Ep.03

庶民の娯楽として古くから愛されてきた人形浄瑠璃は、16世紀末に淡路島で発祥したといわれます。全国各地に根づいている日本ならではの伝統文化ですが、徳島県では江戸時代に阿波藩主・蜂須賀公(はちすかこう)の庇護・奨励を受けたことから、人形浄瑠璃が盛んに上演されてきました。
現存する農村舞台の数は全国一を誇り、今でも地域ごとに地元の人形座による公演が定期的に行われています。優れた人形師(人形の頭を作る職人)も多く輩出しており、新作、補修を含め全国からたくさんの注文が寄せられるほど。徳島市内には常設の浄瑠璃舞台もあり、いつでもその魅力に触れることができます。
県内有数のミカン産地である勝浦町を拠点とする「勝浦座」は、江戸時代に発足した人形座で、徳島で最も伝統ある人形座の一つ。上演できる外題は約30演目にも及び、国内外での上演のほか、徳島市八多町(はたちょう)の「犬飼農村舞台」では毎年人形浄瑠璃芝居を奉納しています。