山梨県

03.山梨のブドウ、秋の収穫、かつぬまぶどうまつり

ブドウの収穫

Vol.14

Ep.03

山梨のブドウ栽培には長い歴史があり、最も古い伝承は奈良時代。奈良の大仏で知られる僧の行基が718年、勝沼町に大善寺を創設し、境内にブドウの苗を植えたという説があります。

もう1つは平安末期の1186年、上岩崎村(現勝沼町)に住む雨宮勘解由(あめみやかげゆ)という人物が珍しい野生のブドウを発見し、栽培したという説です。そもそも、ブドウが食用として本格的に栽培されるようになったのは室町から安土桃山の時代。勘合貿易によって中国から様々な物品や文化がもたらされ、大航海時代で渡来したスペイン人やポルトガル人も西洋の文化を日本に持ち込みました。

これらの影響から水墨画や屏風絵のモチーフに葡萄棚や葡萄図などが描かれるようになります。葡萄棚に関しては、前述の雨宮家に1615年、貼り薬で有名な「トクホン」の社名の由来となった甲州の有名な医師・永田徳本が滞在し、山梨のブドウの新しい栽培法として葡萄棚で作ることを考案した、という伝承も残っています。