福岡県

02.星野村の伝統本玉露、八女のまつり あかりの祭典

茶樹を刈り込む「更新作業」

Vol.20

Ep.02

福岡県は高級玉露の産地としても知られており、八女(やめ)市山間部の黒木町(くろぎまち)、上陽町(じょうようまち)、星野村などで作られています。

なかでも玉露の旨味が最大限発揮できるよう伝統的な生産方法で作られているのが「八女伝統本玉露」。玉露は茶葉の新芽が出る頃に日光を遮って栽培します。近年はその被覆資材に化学繊維のネットなどが使用されることも多いなか、伝統本玉露は稲わらを編んで作る「スマキ」と呼ばれる伝統資材を使用。摘採が終わるまでの25日ほどをこれで被覆します。スマキで覆うことで茶芽の生育に適切な温度・湿度が保たれます。また、遮光によって茶の旨味成分であるアミノ酸が渋味・苦味をもたらすカテキンに変化することを抑えるため、まろやかなお茶に仕上がります。さらに覆い香といわれる独特の香りも。

この伝統本玉露は農林水産省の地理的表示(GI)保護制度も取得。これは、その土地で長年培われた特別な生産方法や気候・風土・土壌などの特性によって、他にはない高い品質を得られるようになった産品の名称(地理的表示)を、知的財産として保護するものです。