広島県

04.三次の夏を彩る江の川の夜鵜飼。三次物怪まつりと稲生物怪録

稲生物怪録

Vol.07

Ep.04

三次(みよし)の夏の風物詩、夜鵜飼。鵜匠たちによる伝統的な漁法で、毎年6~8月に行われます。同じく夏に催される「三次物怪(もののけ)まつり」もこの地域の名物。地元住民による仮装の妖怪百鬼夜行が行われ、全国から妖怪好きも勇んで駆けつける夏の行事です。

三次市に古くから伝わる「稲生物怪録(いのうもののけろく)」という民間伝承をもとに、参加者がそれぞれ妖怪に扮して夜の町を練り歩くという趣向。原典である稲生物怪録は江戸時代に著された絵巻や書物で、三次に住む稲生平太郎という人物を脅かしにやってきたもののけたちとの不思議な体験をつづった物語です。

稲生物怪録には多くの怪しげな妖怪が現れるだけではなく、現在も実在する場所や、主人公の平太郎をはじめ当時の三次に実在した人物も登場します。絵本や絵巻など様々な形態で後世に伝えられており、明治期の稲生家(別系)には今も石碑とともに様々な言い伝えが残されています。