兵庫県
06.稲刈りと冬期湛水。年の瀬の餅つき
Vol.21
Ep.06
田んぼで成長したカエルやクモ、カマキリは、稲を食い荒らすカメムシ、ゾウムシなどの害虫を捕食してくれます。秋にはこうした生き物たちの助けを借りて育った稲を刈り取りますが、「コウノトリ育む農法」では稲刈り後の田んぼにも漏水を防ぐ畦を作ったり、微生物の餌となる有機物を散布したりします。冬、田んぼに残ったワラが浸かるくらいまで水を張る「冬期湛水」を行うためです。
「冬期湛水」とは微生物の働きによって豊かな土壌を作り、水辺の生き物が暮らし続けることで、冬もコウノトリが餌を確保できるようにするための取り組み。米ぬかなどがまかれた水田にはイトミミズが繁殖し、これらの養分を盛んに食べて分解します。その糞が深さ数cmのフワフワ・トロトロの泥の層を作り、このトロトロ層が雑草の発芽を防いでくれます。田んぼにはイトミミズだけでなくミジンコなどの微生物も発生し、これらを食べるドジョウやオタマジャクシも増え、こうした食物連鎖の復活によって水田に生態系が戻ってきます。