石川県

04.珠洲市の奥能登塩田村、揚げ浜式製塩法による塩づくり

海水をくみ上げる

海水をくみ上げる

Vol.01

Ep.04

日本で唯一の揚げ浜式製塩法による塩づくりが行われている珠洲(すず)市の奥能登塩田村では、海岸でかつての伝統的な塩づくりが再現されています。揚げ浜式製塩法とは、約1200年前の文献にも登場する塩の製法で、粘土板の上に砂をまき、その上に海水をまいて蒸発させるもの。砂の表面に生じた塩の結晶を海水で溶かし、かん水を作ります。

これを釜で煮詰めるのが揚げ浜式製塩法。能登地方で広く行われていました。日本では他にも、ホンダワラの表面に乾燥付着した塩に海水をかけ、そのかん水を煮詰める「藻塩焼き」や、海水満潮面よりやや低い所に砂でできた塩田をつくり、毛細管現象を利用して海水を表面に導いて砂上に塩を析出させる「入浜式塩田」(室町時代末期から昭和30年代頃まで行われてきた製法。)、さらには昭和30~40年代後半まで行われていた「流下式塩田」など、揚げ浜式製塩法の他にいくつもの塩づくりの方法があります。