香川県

05.小豆島の春。国産オリーブ栽培。中山千枚田の田植え

オリーブ畑の中耕1

Vol.04

Ep.05

小豆島の春。島の中央にある中山千枚田では、田植えを終えた田の1つ1つに青い空が映えます。「日本の棚田百選」にも選ばれた700枚を超える大小の千枚田です。そしてまた、オリーブ農家でも春の作業が始まります。

オリーブが小豆島で栽培されるようになったきっかけは明治41年。魚の保存を目的とした醤油と油漬けの缶詰を作る際に、オリーブオイルを必要としたためでした。当時オリーブは、農商務省主導のもと、三重・香川・鹿児島の3県で試験的に栽培されますが、順調に結実したのは小豆島のみ。栽培は徐々に本格化していき、やがて香川県や広島県、岡山県へと広がりました。

しかし昭和34年に海外からの農産物の輸入が自由化された背景から、外国産のオリーブオイルやオリーブの塩漬けが台頭し、国産オリーブの生産は下火に。このような状況の中、オリーブは小豆島や一部地域で特産品として栽培されるのみとなりましたが、平成に入ると健康食品ブームとともに国産オリーブが注目されるようになり、再び需要が高まっています。