奈良県

08.次代につなぐ柿の木の剪定

この剪定作業でその年の柿の出来の7割が決まる

Vol.33

Ep.08

柿の収穫が終わった冬。産地では次のシーズンに向けた作業が始まります。この時期の主な作業、剪定(せんてい)です。不要な枝を落として柿の芽数を減らすもので、剪定には熟練の技術を要するため、産地では定期的に奈良県果樹・薬草研究センターの技術者やベテラン生産者が講師となり、剪定講習会を行って技術の向上を図っています。現在、柿の木の剪定の主流は「開心自然形整枝法」という方法。柿は高木性の樹木のため、放っておくと約20mもの高さまで生長することもあります。果実がたくさんつきやすい「おもて年」とつきにくい「うら年」のある隔年結果性の作物。品質を高め、収量を平準化させるため、産地では様々な仕立てや剪定法が考案されてきました。近年は収穫や管理作業に脚立を使わずにすむよう園内の間伐を行い、枝を横に広げて樹体をより低く保つように剪定しています。作業が楽になることできめ細かな生育管理ができるようになり、より高品質な柿作りが可能になるのです。