大分県

04.夏の風物詩、八幡鶴市神社の鶴市花傘鉾(はなかさぼこ)祭り

やぐらの上に大きな和傘を立てて色とりどり紙の花で飾った花傘鉾

Vol.28

Ep.04

中津市の鶴市花傘鉾祭りは、山国川の三口大井手堰(みくちおおいでせき)近くにある八幡鶴市神社の祭礼です。

今から約900年前、人々は度重なる洪水で決壊する堤防に悩まされていました。7人の地頭が改修工事を試みますが、失敗の連続。湯屋弾正(ゆやだんじょう)なる人物が人柱を提案し自ら志願するも、家臣の娘・お鶴が息子の市太郎とともに人柱になることを願い出ます。2人は7日7夜の断食で身を清めた後、山国川の河原へ。舟から母子が沈められると川底から金色の鳩が飛び立ち、宇佐神宮に向かって飛んで行ったという伝承が残っています。その後、山国川には大井手堰が築かれ、今なおこの地の田畑を潤し、生活用水を供給しています。毎年8月に開かれる鶴市花傘鉾祭りは、お鶴と市太郎の母子の霊を慰め、五穀豊穣を願う祭礼。鮮やかに飾られた多くの花傘鉾が行列をなして進み、その距離は30~40kmにも。日本一長い距離を歩く祭りとして、青田の中を花傘鉾が巡行する風景が、この地の夏の風物詩となっています。