大分県

06.ヤマジノギクの収穫と、天候不順に苦しむスイートピー

花の高さを下げる「つる下ろし」を早めにし、減収を回避

Vol.28

Ep.06

大分県が品種改良をして生まれたヤマジノギクは、県オリジナルの花卉。キク類ではあまり見られない鮮やかな紫色が人気で、朝晩の冷えや日中の寒暖差によってできることから、ヤマジノギクは標高が高い同町の気候風土に適しているようです。

一方スイートピーは、1970年代から80年代にかけて一気に生産拡大を果たします。米の減反政策により他の作物の栽培農家の参入が相次ぎ、様々な技術革新をもたらしたのです。

たとえば今では一般的な「巻き下げ技術」。スイートピーの茎は長く伸び、自立できないため、縦に張った糸にくくりつけて巻き下げなければなりません。新規参入の生産者たちが縦に張ったネットに洗濯バサミで茎を留めて横に倒す方法を考案したことで省力化が一気に進みました。また、ガラス温室でなければ育たないと考えられていたスイートピーの、ビニールハウス栽培にも成功。他作物から参入してきた生産者が技術革新をもたらした、代表例ともいえる花です。