沖縄県

04.旧盆のエイサーとサトウキビの夏植え

伝統芸能「エイサー」

Vol.38

Ep.4

サトウキビの栽培は、春に植えつけて翌年の冬に収穫する春植え、夏に植えつけて翌々年の冬に収穫する夏植え、冬の収穫後の株から出る芽を育てて翌年の冬に再度収穫する株出しの3種類があります。そしてこの夏植えの時期に、沖縄本島や周辺の離島で行われるのがエイサーです。旧盆の時期に先祖の霊を慰めるための踊りで、若者たちが太鼓を打ち鳴らしながら「エイサー、エイサー」と声をかけ、踊ります。夏の夜に響きわたる太鼓のリズムと、汗を流し踊る人々の姿は、沖縄のふるさとの原風景。かつて琉球王国だった沖縄の人々は、中国や日本、東南アジアなどの影響を受けながら独自の芸能を築いてきました。琉球王国時代は「踊奉行(おどりぶぎょう)」という役人が置かれるほど、国を挙げて芸能に力を入れたといわれます。沖縄の伝統芸能は大きく宮廷芸能と民俗芸能に分けられ、首里城を中心に行われた宮廷芸能は中国からの使者などをもてなすための歌や踊り。エイサーなどの民俗芸能は地方の祭りなどで演じられ、民衆の気持ちがダイレクトに表れているといわれています。農業と関わりのある伝統行事も各島で受け継がれており、五穀豊穣への感謝や収穫を祝う祭りなどが年間を通して行われています。