沖縄県

07.ゆいまーるが息づくサトウキビの収穫

サトウキビの花

Vol.38

Ep.7

冬の伊江島ではサトウキビの花が咲き、収穫期の到来を告げています。1年~1年半の歳月をかけ大切に育てられたサトウキビは、太陽の光をたっぷり浴びて糖分をたくわえ、収穫時期には3mほどの高さにまで生長します。収穫作業は、刈り払い機で根株だけを残して茎を切り倒していく、「つら打ち」という危険で過酷な重労働。気を抜くと大きな農作業事故にもつながりかねず、体力と集中力を要するため、生産者の知念さんは「キビとの格闘だ」と言います。また、サトウキビは刈り取った後すみやかに製糖工場に運ばないと糖度が下がってしまい砂糖の品質に影響が出るため、スピードも求められるそう。収穫時は多くの人手が必要になるため、近隣の農家が「ゆいまーる」(「結い」を意味する沖縄の方言で、農作業や家屋の建築、冠婚葬祭などで行われる相互扶助のこと)で収穫作業を行うほか、「援農隊」として全国から多くの若者たちをアルバイトで募集することもあります。2004年にはこうした「キビ刈り隊」の若者の青春を描いた映画『深呼吸の必要』が制作されました。