大阪府

02.大阪の冬。父子で取り組む泉州水なす(定植作業)

定植された水なすの苗

定植された水なすの苗

Vol.35

Ep.02

閑静な住宅が立ち並ぶ大阪府南西部の泉州地域。田んぼや畑、ため池などが多くみられる、農業がさかんな土地でもあります。この地で江戸時代から栽培されている特産品の一つが、泉州水なす。甘みのある丸なすの一種で、その名のとおり水分が多く、やわらかな果肉に薄い皮、そしてジューシーな味わいが特長です。

主な産地は岸和田市、貝塚市、熊取町、泉佐野市などで、「泉州水なす」という名称は、JA大阪泉州とJAいずみのによるブランド名です。泉州水なすは贈答用漬物として全国に広く知られ、栽培がむずかしく選別基準が厳しいことから、最高級品は夏の間しか市場に出回らないという希少品。

とある冬の朝、貝塚市のビニールハウスでは、泉州水なす作り40年の生産者・岸本安隆さん(58)が苗の定植作業に追われていました。一緒に作業をする長男の拓也さん(30)は、6年前に脱サラをして就農した期待の後継者です。