大阪府

06.水なす料理とふるさと大阪の恵み

水なす料理の数々

水なす料理の数々

Vol.35

Ep.06

アクが少なくほのかな甘みのある水なす。漬物のほか、生でもおいしく、地元の人は包丁を使わず手で割いて、ごま油と塩、柚子こしょうやポン酢など、好みのタレをつけて食べたりしています。
泉州地域の伝統食「じゃこごうこ」(別名「じゃこなす」)は、泉州水なすの古漬けをじゃこエビと一緒に甘辛く煮つけた郷土料理です。地元では昔から水なすを冬の保存食として糠床に漬け込み、古漬けとして重宝。これを大阪湾でとれる小エビと炊き合わせるとおいしく、また経済的だったことから家庭の味として親しまれてきました。
ナスは奈良時代に日本に伝わり、平城京でも栽培されていたといわれます。その当時、和泉国(いずみのくに)として栄えた泉州地域は都から多くの文化を取り入れており、その中に水なすの種や栽培法も含まれていたのかもしれません。
人々が大切に育んできたふるさと大阪の恵み。歴史と伝統が織りなす命の営みが、大阪の地に今なお脈々と受け継がれています。