滋賀県
04.夏の田んぼ、育みの季節
Vol.27
Ep.04
石津家の夏の田んぼでは、卵から孵ったフナやナマズがすくすくと育っています。農薬を使っていない田んぼにはアマガエルやトンボがやってきて、稲の間には巣を張って餌捕りに奔走するクモ、空には低空飛行しながら餌を探して飛び交うツバメの姿も。ユスリカなどの害虫は、こうした生き物たちの貴重な食料源。田んぼを基点に生態系のバランスを整えることで、農薬を使わなくても自然の食物連鎖によって稲の生育を守ることができるのです。それでも夏の田んぼの最盛期に畦畔(けいはん)の草刈りは忙しく、田植え前から稲刈りまで何度も行わなければなりません。
そしてこの時期、地区の人たちが何よりも楽しみにしているのが夏祭り。子どもたちは日中、集落を流れる針江大川で思いきり川遊びを楽しみ、カバタで冷やしたスイカを頬張り、そしてまた川に飛び込んでいきます。大人たちは地区の神社に集まって、やぐらを組んだり提灯(ちょうちん)をつけたり。やがて日も落ちる頃、集落の人たちが集まって盆踊りが始まります。