滋賀県

06.お米の収穫と琵琶湖の恩恵

稲刈りの風景

Vol.27

Ep.06

琵琶湖のほとり、石津家の田んぼでも稲刈りが始まりました。米を収穫するコンバインの周囲には、鷺が一羽また一羽と降り立ち、収穫作業の後を追うようについて回っては、しきりに地面をついばんでいます。気づくと数えきれないほどの大群になっていることも。稲株の周りにひそんでいたカエルやイナゴが目当てです。農薬や化学肥料に頼らず、自然の力で育まれてきた田んぼの、秋の収穫風景です。

琵琶湖には大小400以上もの河川と水路から水が流れ込んでおり、その一つ一つがこれら一枚一枚の田んぼ、そして一軒一件の台所とつながっています。それはまるで毛細血管のように緻密な水のネットワーク。一人一人の暮らしと意識を映す琵琶湖は、滋賀県民140万人の心を映す水鏡、ともいわれます。人のつながりが水のつながりを生み、多様な生き物を育む。琵琶湖のほとりには、自然と共生する循環型社会の姿がありました。