徳島県
02.貯蔵みかんの産地、勝浦町の生産者
Vol.32
Ep.02
収穫後数ヶ月の貯蔵を経て出荷される、貯蔵みかん。徳島県は12月~1月の果実収穫後、貯蔵によって十分な甘みを備えた「熟成みかん」の産地としても知られます。高糖度系の品種だけを厳選し、気温差の大きい県東南部の山間部を中心に栽培。勝浦町はその主産地の一つです。
貯蔵によってクエン酸が分解されて酸のカドが取れ、水分が揮発して味が濃厚になりますが、収穫から数ヶ月が過ぎてもみずみずしい果実を維持するには、高い技術が必要。一定期間風にさらして果実の水分を取り、果皮を締めて品質を高めます。その後、専用の木箱に並べ貯蔵庫内で熟成、空気を循環させながら温湿度を保ちます。その目安は温度8度、湿度85%とされますが、各戸の貯蔵庫の特性に合った細かな調整が必要です。昔ながらの土壁の貯蔵庫では天井と床下に換気口が設けられ、換気や打ち水などをこまめに行っています。農家の経験と勘に裏打ちされた技術によって、まろやかで芳醇、甘み引き立つ極上の貯蔵みかんが完成するのです。