山口県
06.見島の年越し。鬼ようず作りと凧揚げ
Vol.17
Ep.06
凧の起源は中国といわれ、紀元前400年頃の思想書『韓非子(かんぴし)』に「墨子が3年かけて木で鳶(凧)を作った」との記述があります。かつて凧は木や竹で作られ、戦の道具としても使用されていましたが、唐の時代に入ってからは、一般の人々が娯楽としての凧揚げを楽しみ始めたそうです。
日本では平安時代の辞書『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』に「紙老鴟(鴟=鳶。中国語で凧の別名)」の記載が見られます。江戸初期には子どもの遊び、中期以降には大人の娯楽として大流行。大名屋敷に墜落したり武者行列を妨げたりするなどの迷惑行為が問題になり、禁止令まで出るほど人気の娯楽だったようです。
中国では凧揚げの時期は立春から清明(旧暦正月~3月)までとされ、特に清明節(せいめいせつ)は「亡くなった人への思いを凧に託して飛ばす」「厄を祓う」「健康を願う」などの意味で凧揚げを行う風習が。
これらが日本にも伝わって正月を中心に凧揚げをする習慣が生まれ、鬼ようずのように初正月に男児の健康を祈って凧を揚げる風習につながったと考えられています。