山梨県
05.甲州ワインビーフがめざす循環型農業
Vol.14
Ep.05
甲州ワインの製造過程で生まれるブドウの搾りかす(ワインかす)を飼料として育てられた牛肉が、甲州ワインビーフ。この甲州ワインビーフが誕生したのは1990年代です。当時から情報公開を徹底し、生産者などの基本情報だけでなく、牛たちが何を食べているか、どんな育ち方をしているかといった飼育情報を公開してきました。今でこそ安全性や健康志向は食品業界で当たり前ですが、当時はバブル景気の余韻が残る高級牛肉全盛の時代。そのころから地道に続けてきた取り組みが長い時間をかけて評価されたのが、甲州ワインビーフなのです。
ハエの天敵である寄生バチを利用し畜舎のハエ駆除を行ったり、牧場周辺の雑草も薬剤を使わず羊の放牧で除草したりと、牛が育つ環境全体を安心・安全なものに。元々廃棄物だったブドウの搾りかすを牛が食べ、今度は牧場の廃棄物である牛糞を堆肥としてブドウ生産者に還元することで循環型農業を実現、地域全体の環境保全にもつなげています。