山梨県
06.大善寺の薬師如来、5年に1度の秘仏御開帳
Vol.14
Ep.06
ワイン用ブドウの産地として高く評価されている鳥居平(とりいびら)。じつは地図上に鳥居平という地名は存在せず、東京方面からは大月を経由して笹子峠を抜けた甲府盆地の入口付近、柏尾山という山の斜面です。山頂になだらかな部分、つまり「平」がいくつかあるので、鳥居平と呼ばれました。鳥居の由来は、山の中腹で京都五山の送り火のように鳥居をかたどった薪に火を灯す行事が行われていたことです。
この柏尾山にある大善寺は、奈良・平安時代の僧・行基が開祖といわれる歴史ある寺です。行基がこの寺の下を流れる日川の岩の上で修行しているとき、夢の中で手にブドウを持った薬師如来が現れたことから、その像を奉納したのが大善寺の始まりとか。山門にある薬師堂は国宝に指定されており、中に祀られている薬師如来は秘仏のため、拝めるのは5年に1度だけ。「ぶどう寺」の異名をもつだけあって、大善寺で造られているワインもあります。