青森県

02.津軽鉄道と嘉瀬の奴踊り、リンゴの摘果

嘉瀬の奴踊り1

Vol.02

Ep.02

奴踊り(やっこおどり)は武家の伝承に由来する民俗芸能の一つ。大名行列などで挟箱(はさみばこ)や立傘(たてがさ)、台笠(だいがさ)、毛槍(けやり)などの道具を所持する奴の所作を演じます。歌舞伎舞踊の奴踊りや、日本各地の祭礼行列に大きな影響を与えました。

一方、郷土芸能における奴踊りは、素手による手踊りで輪になって舞うものが多く、中でも青森県五所川原市金木町嘉瀬(かせ)に伝わる「嘉瀬の奴踊り」はその代表例とされています。三味線、太鼓、ビンササラを伴奏に口説き形式の民謡に合わせ、コギン刺しの前掛け、半纏をまとった奴姿の踊り手や早乙女姿の踊り手が、テンポの速い歯切れの良いリズムで踊ります。かつての素朴な盆踊りが、昭和30年代から徐々に洗練されていき、40年代になって現在の奴踊りの形に整えられたとか。昭和44年には青森県の無形民俗文化財に指定されています。