千葉県
03.落花生の種まき、開花。子どもたちが受け継ぐ千倉の三番叟
Vol.08
Ep.03
作付面積・収穫量ともに全国1位を誇る千葉県の落花生。水はけのよい土壌と温暖な気候が栽培に適し、全国に知られる名産となりました。
そして千葉県の無形民俗文化財に指定されている「千倉(ちくら)の三番叟(さんばそう)」。毎年7月に忽戸(こっと)地区の荒磯魚見根(あらいそうおみね)神社と平磯地区の諏訪神社で納められます。天下泰平、五穀豊穣、千秋万歳といったおめでたい儀式曲で構成され、千歳の舞、翁の舞、三番叟の舞の3つから成るのが「式三番叟」ですが、能から狂言、狂言から歌舞伎へと時代の芸能が移り変わるにつれ、3番目のみが行われるようになりました。
この地で三番叟が始まったのは江戸時代、氏子による農村歌舞伎の演目として披露されました。歌舞伎の公演がなくなった今でも三番叟だけは残り、現在も夏祭りの時期に奉納されています。
大衆娯楽としての要素が強い歌舞伎と異なり、三番叟は元々田畑で豊作を祈願する踊りとして神にささげられた田楽がルーツ。その姿を最も原型に近い形で伝えているといわれます。