福島県
03福島県のモモ。産地の歴史
Vol.40
Ep.3
福島県のモモ栽培は、昭和30年代以降に桑畑から果樹畑への転換や山間部への新植が進むなか、土壌と気候がモモに適していたことから次第に広がりました。今では全国2位の生産量を誇り、その生産量は全国の2割以上を占めます。代表品種の「あかつき」は、甘みが強い「白桃」とジューシーさが特徴の「白鳳」を交配育成し、昭和54(1979)年に同県で誕生。花芽の着生がよく豊産性であることから他県にも広がり、全国でもっとも多く栽培される主要品種に成長しました。その特徴は甘みの強さと溢れ出すほどの果汁。ほどよい酸味とのバランスにも優れており、平成6(1994)年以降、毎年皇室に献上されています。
「あかつき」は、県内では中通り地方をはじめとする山々に囲まれた盆地が主な産地。寒暖差と夏の日差しによって、果皮の桃色が濃く育ち、本来の甘さが凝縮されます。7月上旬から9月中旬にかけて、「あかつき」だけでなく県オリジナル品種の「はつひめ」や晩生種の「ゆうぞら」といったさまざまな品種も出荷されており、「くだもの王国ふくしま」を象徴する果樹として親しまれています。