岐阜県

02.肉の芸術品・飛騨牛。和牛日本一をめざす高校生たち

色鮮やかな赤色、さっぱりとした脂はまさに肉の芸術品

Vol.31

Ep.02

岐阜県の豊かな自然の中で育ち、肉の芸術品とも称される飛騨牛。その肉質はきめ細かで柔らかく、網目のような霜降りと芳醇な味わいが特長です。昭和20年代に農耕牛の飼育が始まった飛騨地域では、30年代の農作業機械化に伴う肉用牛への転換を経て、40年代以降は肉質や体格の良さを求める改良が盛んに進められました。そして50年代、種雄牛の充実を図るために導入されたのが、のちに飛騨牛ブランドの立役者となる「安福号」です。但馬牛産地の兵庫県に生まれ、昭和56年に岐阜県が1000万円で落札、種雄牛としての飼育が始まりました。58年頃から産子が飛騨子牛市場に出回るようになり、当時平均で25万円前後と低迷していた子牛価格を一気に押し上げます。平成に入ると70万円を超える価格で取引されるようになり、飛騨肉は一躍全国トップの座に。その後も「飛騨白清」「白清85の3」「花清国」など安福号の良さを引き継いだ多くの種雄牛が生まれ、飛騨牛産地の飛躍に大きく貢献しました。