岐阜県

03.中津川の栗と名物の栗きんとん

200本以上の栗の木を育てている土屋さん

Vol.31

Ep.03

西南濃・中濃・東濃地域を中心に栽培される岐阜県の栗。近年は樹高を低く保ち管理しやすくした低樹高栽培が普及し、生産性や品質の向上が図られています。和菓子メーカーとの契約栽培も盛んで、県の銘菓・栗きんとんの原材料にも多く使われます。栗どころとして知られる中津川市では、江戸時代から栗料理や栗菓子で旅人をもてなしたとされる一方、栗の木は硬く耐久性が高いため建物や神具・食器に使われたり染物に利用されたりと、衣食住に密着した生活文化を育んできました。中津川は栗きんとん発祥の地でもあります。東京近郊で「栗きんとん」(栗金団)というと、おせち料理に登場する粘り気と糖分濃度の高い黄色の餡を栗にまとわせた料理をイメージしますが、中部地方の「栗きんとん」(栗金飩)は炊いた栗に砂糖を加えて茶巾で絞り、形を整えた和菓子のこと。栗金団のような粘り気はなく、栗の実そのものを食べているような、ほろっと口の中でほどける柔らかさを楽しめるお菓子です。