広島県

01.神楽、もののけ、花田植。ピオーネ、江の川、三江線

川を越えるJR三江線

Vol.07

Ep.01

中国山地の山あいに響く神楽の音色、花田植の歌声。そして川のせせらぎ、夜鵜飼の灯り。たわわに実った、黒い真珠と呼ばれる「三次ピオーネ」。県内の7割近くが中山間地域の広島県では、農業を営む上で不利とされる条件下にありながら、人々は郷土の歴史と文化を大切に育み、伝統の料理や特産品を守りつないできました。

中国山地を貫流する江の川(ごうのかわ)は、別名「中国太郎」とも呼ばれます。この川に沿って広島県三次(みよし)市と島根県江津市を結ぶのがJR三江線(さんこうせん)。三江線は全線通行中7度も江の川を越えて渡り、その流域を走り続ける鉄路は、車窓からも沿線の駅からも中国山地の美しい渓流風景を望める風光明媚なローカル線として、長らく親しまれてきました。残念ながら利用客の減少により、2018年に惜しまれつつも廃線となりましたが、作中では江の川沿いを走る三江線の貴重な映像を見ることができます。