広島県

08.安芸高田神楽の総決算、神楽門前湯治村での競演

本郷神楽祭りの様子1

Vol.07

Ep.08

11月。中国山地の山里に、神楽の音色がひときわ高く響きます。一年を通じて各地で研鑚を積んできた神楽団の総決算ともいえる大会が、安芸高田(あきたかた)市の神楽門前湯治村で開催されるのです。

各地で行われた競演大会で優勝したチームのみが出場できる、神楽大会の最高峰ともいえる特別な場。神楽門前湯治村にある日本唯一の神楽専用ドームで熱演が繰り広げられます。

かつては自然や神に対する感謝の祭りで捧げられ、年に一度のハレの舞台でもあった神楽。それは、一年にわたる農作業の苦労から解放され、ともに生きる喜びを分かち合う場でもありました。

中国山地のこの地域では氏神社を中心に神楽団を組み、神職ではなく氏子自身が神楽を舞うことで、集落の連帯や共同意識を高める役割も担っていたのです。神楽を軸にした人々のつながりが、互いに助け合う中山間地域の暮らしを支えてきたともいえるでしょう。