石川県

03.農家の伝統食、能登の郷土料理、ほう葉めし

お田植え料理「ほう葉めし」

Vol.01

Ep.03

農家にとって、田植えは一年で最も忙しい時期の一つ。こうした農繁期に食べる伝統食、郷土料理のことを「お田植え料理」といいますが、「ほう葉めし」もその一つ。ほう葉とはホオノキの葉のことで、殺菌作用があることから食材を包むためによく用いられてきました。その年の豊作を祈願するお田植え料理は日本各地の農家に代々伝わっており、ほう葉めしのようなきな粉ごはんの他にも、にしんと凍み大根の煮物、赤飯、干したらの甘煮、切干大根の煮つけなど様々な郷土料理があります。

また、農家には「小昼(こびる)」と呼ばれるおやつの時間もあり、まだ薄暗い早朝から働き始める農家にとって、作業の合間に軽食を取ることは、体力を維持するためにも欠かせません。手作りの漬物やお菓子、果物など、簡単に食べられるものが中心で、かつてはよくほう葉めしも食べていたそうです。重労働の農家にとって、小昼は何よりの楽しみでもあります。