岩手県

06.焼石岳の夏。用水路の掃除とひまわりの出荷

焼石連邦

Vol.05

Ep.06

奥州(おうしゅう)市の西に位置する焼石岳(やけいしだけ)は花の山とも呼ばれ、雪解けとともに可憐なヒナザクラやエゾウサギギクなど、色とりどりの花が咲き誇ります。

焼石岳という名は「薬師岳」から転化したという説のほか、主峰を西側から見たときに黒い岩が積み重なっている様子から「焼石」とも。

焼石岳の登山道の標高1300mから上部は、姥石平(うばいしだいら)を中心とした高原が広がり、一部が湿地となっています。灌木の交じった草原では、風が強く樹木が少ないため、春~秋にかけて様々な花が見られます。北海道と南・北アルプスに分布するキバナシャクナゲが発見されたほか、同様の分布を見せるクロユリも焼石岳で見つかりました。本州では焼石岳にしかない北方系の植物や、イワテハタザオ、タカネナデシコなど乾性の高山植物も多いことから、植物地理学的にも重要な山とされています。

東日本大震災による地殻変動でこれまでの標高から1m低くなったことから、現在の焼石岳の標高は1547mです。