岩手県

08.お盆から稲刈りへ。「ほんにょ」で天日干し

稲の天日干し「ほんにょ」

Vol.05

Ep.08

「ほんにょ」とは稲の干し方のこと。岩手県南部や宮城県北部などで見られる方法で、響きはかわいらしいものですが、漢字で書くと「穂仁王」。稲穂が仁王立ちしているように見えることからつけられたそうです。ほんにょの他にも「ほにょ」「ほにお」「杭がけ」「稲杭がけ」「棒がけ」などとも呼ばれます。地面に立てた棒に、収穫した稲を交互に掛けてほんにょを作り、ここで長い時間をかけて乾燥させた後、籾すりをして玄米にしていきます。

脱穀したばかりの籾には25%前後の水分が含まれますが、水分が多いと籾すりしにくく、保管中にカビや虫が発生する原因にも。水分が15%ほどになるまで乾燥させる必要がありますが、短時間で乾燥させると表面がひび割れてかさかさになってしまい、おいしいお米になりません。その点、ほんにょなどの天日干しは1〜3週間という長い時間をかけ、稲にまんべんなく天日があたるよう場所を入れ替えながら行うため、おいしいお米に仕上がるのです。