宮城県

04最新技術を導入し、産地拡大をめざす「いちご団地」

収穫された「仙台いちご」

収穫された「仙台いちご」

Vol.41

Ep.4

宮城県は東北一のイチゴの生産量を誇り、県内で生産されたイチゴは「仙台いちご」の名で出荷されています。主産地は海沿いに位置する亘理(わたり)町と山元町。この地域は以前からイチゴの栽培が盛んでしたが、東日本大震災の津波で大きな被害を受け、イチゴの圃場面積は震災前の5%にまで減ってしまいました。その復興事業として整備されたのが「いちご団地」です。主流だった土耕栽培は高設栽培に切り替わり、温湿度や日照時間、かん水などを自動で管理するシステムを備えたハウスが導入されました。栽培面積は震災前よりも減りましたが、「設備の充実によって収穫時期が延び、収量も倍近くに増えた」とJAみやぎ亘理の職員は言います。生産者の浅野武彦さんは、「技術がシステム化されたことで、従来の“勘”や“コツ”に頼ることなく、次世代や新規就農者へ技術を継承しやすい」と、その利点を話します。このイチゴ栽培を後世につなぎ、将来に向かってさらに発展させていくのが産地の目標です。

本作に登場する「萬松山 大雄寺」は、伊達政宗の忠実な家臣・伊達成実を初代とする亘理伊達家の菩提寺。成実の霊屋は県指定文化財となっています。