宮城県

07ハクサイの種採りと伝統の「仙台白菜」

胴回りが丸い「仙台白菜」

胴回りが丸い「仙台白菜」

Vol.41

Ep.7

ハクサイの種採りは初夏から始まります。朴島で刈った莢ごと本土に持ち込み、ごみや異物、形の悪いものを取り除く粒形選別を実施。その後実際に植えて「純度検定」を経たものだけが市場へと出回ります。流通までに、じつに2年という年月がかけられています。

伝統野菜「仙台白菜」は、松島で生まれた初代「松島白菜」をはじめ、渡辺採種場による改良種『松島純二号』『松島新二号』などの総称です。胴回りがぷっくりと丸く、葉っぱが白いのが特徴。肉厚の葉は柔らかく甘みがあり、煮るととろけるような食感です。塩害に強いことから、東日本大震災による津波被害を受けた畑でも栽培が復活し、少しずつ生産量が増えているといいます。

「仙台白菜」を生産する、やもと蔬菜(そさい)組合の遠藤淳一さんは、「やはり味がいい。『仙台白菜』があるのは地元の誇り」と、その魅力を語ります。妻の紀子さんが勧める食べ方は、鍋、漬け物、重ね蒸し。冬に欠かせない食材です。