奈良県
01.奈良県の自然と農業
Vol.33
Ep.01
近畿地方のほぼ中央に位置する奈良県は、吉野川に沿って走る中央構造線によって、北部低地と南部吉野山地に大別されます。恵まれた気象条件や高い生産能力を生かし、古くから多彩な農業が営まれてきました。雨が少ない奈良盆地では約4,300ものため池が作られ、近世には米や綿、菜種などの商品作物が栽培されていました。現在は京阪神エリアへのアクセスを生かし、高度な栽培技術を駆使した農業が行われています。奈良県の大和平野地域では米や野菜、花など収益性の高い施設栽培、そしてため池を利用した金魚や錦鯉の養殖なども行われています。大和高原地域では、夏季の冷涼な気象条件を生かしお茶や高原野菜、畜産、花、植木栽培など。そして五条・吉野地域は果樹栽培。中でも「柿」は全国屈指の産地です。さらに南部の山間地域では、切り枝花木、山菜、薬草など、中山間地域の特性を生かした農業が営まれています。