大分県

03.杵築(きつき)市山香町の花卉栽培と、日本一のほおずき

緑と赤のコントラストが重要なほおずき

Vol.28

Ep.03

日本では古くからお盆に仏花として飾られていたほおずき。実の大きさに対して中は空洞、種も小さいことから、「偽り」「ごまかし」などという不本意な花言葉もつけられていますが、平安時代から薬として利用されてきた歴史もある古い作物です。薬草として利用されていた当時、ほおずきは子どもの夜泣きやひきつけ、大人の腹痛や胸の痛みを和らげる効能があるとされました。

一方ヨーロッパを中心にフルーツとして食べられている食用ほおずきなどは、イノシトールというビタミンB種を豊富に含み、体内に脂肪を溜め込まないようにする働きがあるともいわれています。大分県のほおずきは昭和40年代から県内市場向けの栽培が始まりました。当初は水田転作としての試みでしたが、支柱誘引方式やハウス栽培の導入によって品質が向上。昭和63年に東京・浅草寺のほおずき市にサンプル出荷したところ大きな反響があり、関東市場への出荷が本格スタート、今や日本一の地位を確立しています。